気付くか気付かないか
いい大工の定義ってのはなんなのか?僕自身は常に考えている。そのいい大工の定義の中に気付きってのがある。出来る出来ないは、大工さんでプロなんだから、当たり前の話だし、今は道具が仕事してくれる時代になったから出来て当たり前。だからこそ、本質に気付くか気付かないの方が大切だと思う。その為の一つに、空風工務店では掃除の徹底をしている。
当たり前に習慣化する
掃除することが当たり前になれば、床に落ちているゴミに気付くはずだ。もちろん今までなかった汚れや、この先掃除をしていないことで汚れる可能性にも気づくだろう。ビスや釘やボンドが無くなれば補充していく、ゴミ箱がいっぱいになったら片付ける。すべて気付きだ。それを磨く為には、誰でもすぐに出来る掃除が一番だ。
気付きを増やす
今、目に入っても気付かない事を、気付けるように成長していく。これは若いからではなく、年齢を重ねても続けていかなきゃいけない。単純に小さい事だけでなく、新しい施工方法や材料、日常に気付きはたくさん転がっている。気付きが増えれば選択肢が増える、結果お客さんにいい提案が出来て、仕上がりや施工方法が増えていく。すなわちいい大工さんは気付けるってのが、僕の中での定義で、空風工務店のいい大工、そしてカッコいい大工の条件のひとつだ。
冷蔵庫のすきま風
自宅の冷蔵庫を閉めた時に違和感を感じた。ドアの下に手をかざすと、すきま風を感じる。感じた違和感の正体はドアの閉まりが悪い。原因を探していくと理由が見つかった。ドアの間のストッパーの上部の引っかける部分が外れている。よく見るとネジで止まっているから、外せばはめなおせると思い外してみる。
気付けば簡単
ネジを外してキャップをはめなおせば終了、ドアを閉めた時の違和感も無くなった。工事内容は簡単なものだが、気付けなければ問題を改善出来ない。そもそも問題として対応が出来ない。この小さな気付きを増やしていく必要がある。
小さなこと
冷蔵庫本人も、ドアが開いているとは認識していないし、確かに感じるすきま風だった。その小さなことに違和感を感じ、気付き、問題点を改善していく。まさにこれこそがリフォームであり、リノベーションだ。せっかくお金をかけるのだから、綺麗にするだけではなく、生活環境を改善していく必要がある。工事を請け負う大工として、お客さんの生活の中にある、小さな気付きから問題点を抽出して改善する。おしゃれな工事がしたければ、webからこんな風にしたいって写真を引っ張って来てもらえば対応出来るが、生活環境の改善はマニュアルだけでなく、お客さんの中にある、そこを気付ける大工で居続けるし、そういう大工をたくさん育てていく。